声質及び発話スタイルに関する複数の実験を行った。主なものは、①日本語母語話者と中国語母語話者を被験者とし感情音声の認知を調べるためのマルチモーダルな認知実験、②中国語以外の4言語を用いた①と同様の実験、③ランダム・スプライシングや逆再生法などの音声マスキングによる認知実験、④声質の記憶に関する実験などである。 これらの実験結果から、日本語母語話者と中国語母語話者は、音声の感情認知において異なる傾向を示すことなどいくつかの新しい知見が得られた。さらに、日本語母語話者は言葉の感情と音声の感情を統合した結果に基づき知覚結果を調整するとの考えを提案した。
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