17世紀チェコの思想家ヨハネス・アモス・コメニウスは、教育ばかりではなく、文学・言語・政治・宗教にわたる足跡を残した。しかし、彼は、ヨーロッパやアメリカで国民教育制度が成立した19世紀後半以降、もっぱら教育家としてとらえられてきた。さらに、彼の思想は、第二次世界大戦後のイデオロギー対立のなかで、近代的なものであると解釈された。本研究は、20世紀末以降の国際的なコメニウス研究の動向を踏まえ、コメニウスのイメージのアップデートを試みた。研究成果は、『ヨハネス・コメニウス--汎知学の光』(講談社選書メチエ、2017年)として、広く社会に発信される。
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