研究実績の概要 |
「高い適格性を持つ教師(Highly Qualified Teachers)」を確保するためにアメリカの大学はどの様な教育改革を進めているのか、本研究ではウィスコンシン州立大学を事例にして調査を進めてきた。特に(1)教員養成のために教育課程の運営体制と(2)現職教員に対する免許更新に伴う「職能開発計画(Professional Development Plan)」の支援事業に注目してきた。 今年度は全米の教師教育政策の基本戦略として現在展開されているRESPECT (Recognizing Educational Success, Professional Excellence, and Collaborative Teaching:教育的成功、専門的卓越性、協同的教授を認めること)政策・プロジェクト(2012.2開始)の内容と、ウィスコンシン州における影響力に関する調査を行った。特に、RESPECTの「効果的な教員と校長(Effective Teachers and Principles)理念を実現した事例として「ウィスコンシン教育者評価制度(Wisconsin Educator Effectiveness System)」に注目し、2014年度の導入について調査・報告を行った。2012年度発表の第一次計画では、「生徒の成果(全体の50%)」について 1 VAM(Value Added Model)15% 2 学区内統一テスト15%、3 教員が設定する生徒の学習目標(Student Learning Objectives)15% 4 VAM分析による学校全体のリーディングテスト成績 5 学校が選択する「目標到達」の成果5項目と評点配分に基づくとしていたが、2013年度には 教員レベルのデータ収集が複雑で生徒の成果と教員に妥当な相関関係を創出することが困難であることを理由に、2017年度までは3のSLO(2項目)を45%、学校全体のリーディング成績2.5%、学区が選択する「目標到達」項目の成果で教員評価を行うことになった。
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