研究課題
本研究は、日本とドイツの青少年の性意識を比較することをとおして、①両国が共通に抱えている性の課題や異なる課題を明らかにするとともに、②両国における男子固有の課題をあきらかにすること、そして第3に、そこから男子支援のために、今日日本の性教育は何に留意すべきか、その課題を、女子支援とともに明らかにすることにある。本アンケート調査を作成するために、ドイツのU・Sielert教授およびJuergen Budde教授らドイツチームと共同会議やメールのやり取りでを行い調査内容を作成した。両国の調査は2014~15年にかけて行われた。その調査結果から以下のような課題と改善策が求められた。①性の基本的事項に関する学習水準を高めること。そのために、中・高で保健の授業時数を増やし、保健の教科書の内容を改善するとともに、生物の教科書に人間の生物学の内容を採り入れること。②思春期への準備としての性教育の充実。初経教育とともに精通教育も重視し、相互の性に対する知識を交叉して学ばせること。③自他の性的身体との関わり合いを学ぶ学習。自他の性的身体に対する尊重とならんで、パートナー関係や親密な関係に潜む暴力の可能性についても学ぶこと。④セクシュアリティに潜む伝統的なジェンダー規範を揺さぶる教育。伝統的ジェンダー規範に関する相互の思い込みが男女のジェンダー規範を強めていることから、相互の「思い込み」を揺さぶり正す教育が求められること。⑤ポルノ・コンピテンスを高める学習。両国の男子にとってポルノが重要な性情報源になっているので、それを批判的に見る目を養うこと。⑥保護者、特に父親を性教育に巻き込むこと。以上の結果をもとに、中高校生の、とりわけ男子向けの性教育プログラムを作ることが課題としての残った。なお調査結果を、研究成果報告書として公刊するとともに、研究公表を促進するためにホームページを作成し公開した。
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Sex Education
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http://dx.doi.org/10.1080/14681811.2017.1292459
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