研究課題/領域番号 |
24531274
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
北島 宗雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00344440)
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研究分担者 |
中平 勝子 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (80339621)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 電子教材 |
研究概要 |
日常生活において必要とされる作業の手順に関する手続き的知識を獲得するとき、教材を画面上に提示し学習者が自身のペースで学習を進めることのできるe-Learning は非常に有効である。本研究では、ピアノの弾き歌いのために必要とされる手続き的知識を獲得するための電子教材(e-Learning 教材)を開発する。聴覚情報を利用せずに学習可能な教材を開発することにより、聴覚障害者も利用可能となる。手続き的知識の学習プロセスに関する認知モデルに基づいてインタラクションプロセスを評価し、コンテンツと提示タイミングが適切に学習を促進するようなデザインを行う。 e-Learning教材は、ピアノの弾き方などに関する説明を記したアノテーション付きの譜面である。本研究では、高精細に紙面情報を表示できるタブレット端末(iPadなど)複数台に、譜面、アノテーションなどを、学習者のペースに合わせて提示する。また、学習中の生徒の行動を記録し、e-Learning教材の利用のされ方を評価できるようにする。そこで、本研究の初年度では、まず、複数台のタブレット端末への教材提示、生徒の学習行動記録のためのハードウェア・ソフトウェアの仕様を決定した。同時に、 e-Learning教材コンテンツの仕様を決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、教材提示環境の仕様を決定した。具体的には、2台のiPadを使用し、1台目には注釈付き譜面を、2台目には注釈なし譜面を提示する。生徒は、注釈付き譜面を見て、演奏方法を記銘し、注釈なし譜面を見て、記銘した注釈を想起しながら演奏を行い、注釈と演奏の連合を作ることが可能になる。また、iPadのカメラを利用して、これらの提示情報利用する過程を記録することができるような仕様を考案した。以上により、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究実施計画: 平成24年度に構築したe-Learning教材の提示・評価環境を、試験的に作成した教材コンテンツを用いて評価する。評価に際しては、ピアノ弾き歌いが実施されている授業の現場を利用する。e-Learning教材の試験版では、学習者はアノテーション表示画面と譜面画面から交互に情報を取得し、演奏を行う。その過程を記録した映像等を分析し、情報を提供する方法を評価する。また、前年度に構築したe-Learning教材の提示・評価環境の概念設計について、e-Learning関連の国際学会で発表する。 平成26年度の研究実施計画: 前年度に実施したe-Learning試験版の評価の結果を踏まえて、当該授業で実施されている項目をカバーするe-Learning教材を作成する。このe-Learning教材を授業の現場に配備し、学期にわたり複数の学生の教育を、本e-Learning教材を用いて行う。教材を利用しない統制群の学習成績と比較し、開発したe-Learning教材の評価を行う。さらに、得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度策定した仕様に基づいて、技能獲得支援のためのソフトウェアを作成する。
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