研究課題
(最終年度に実施した研究の成果)技能レベルと難易度レベルの適合の程度を反映する学習者の視行動の分析を行い、手続き的知識の獲得を促進するための、学習者の技能レベルに応じた難易度を持つ教材提示方法についての検討を行った。その結果、難度の高い教材に適切に挑戦させる方策についての示唆が得られた。(研究期間全体を通じて実施した研究の成果)日常生活において必要とされる作業の手順に関する手続き的知識を獲得するとき、教材を画面上に提示し学習者が自身のペースで学習を進めることのできるe-Learningは非常に有効である。本研究では、ピアノの弾き歌いのために必要とされる手続き的知識を獲得するための電子教材(e-Learning 教材)提示環境を開発した。また、電子教材のコンテンツのデザイン仕様を、新たに構築したピアノ弾き歌い状況下での手続き的知識学習プロセスに関する認知行動モデルに基づいて決定した。これにより、学習が促進されるようにコンテンツと提示タイミングを適切に調整することが可能になった。開発した電子教材提示環境では、教材はピアノの弾き方などに関する説明を記したアノテーション付きの譜面と、アノテーションなしの譜面の形式で、高精細に紙面情報を表示できるタブレット端末(iPad)に、学習者のペースに合わせて提示される。学習中の生徒の視行動記録を認知行動モデルに基づいて分析し、獲得された手続き的知識のレベル(演奏技能レベル)と、教材の利用のされ方の間の関係の評価を行った。その結果、学習者の演奏技能レベルに見合う教材の場合には、正確な予見を行えるのでスムーズな視行動が見られるものの、教材の難易度が高くなると、譜面を詳しく読み取るための視行動を示すことがわかった。後者から前者への接続を考慮して、学習者のレベルに合わせた難易度をもつ教材提示を行うことによって、学習が促進されることが期待される。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 5件)
COGNITIVE 2015 : The Seventh International Conference on Advanced Cognitive Technologies and Applications
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