研究実績の概要 |
Weberの問題とは、有理数体QのZ_p-拡大B(p,∞)のn番目の次中間体B(p,n)の類数がいつでも1かという問題である。一方、Greenberg予想は、総実代数体kとB(p,n)の合成体kB(p,n)の類数のp-指数がnについて有界であるという予想である。25年度以降、上の二つの予想を同時に考えるという視点にたち、pを固定したとき、kB(p,n)の類数はnについて有界かという問題を考えることにした。これは、k=Qとしたとき、B(p,n)の類数はnについて有界かという問題になる。 26年度に研究代表者は、実アーベル体の上にpの上にある素イデアルのみ分岐するアーベルp-拡大をアーベル多様体のp-ベキ分点を附加することにより、上の二つの予想を研究するというアイデアを得た。 そのために志村理論を研究する必要が生じた。即ち、重さ2の保型形式fに付随したアーベル多様体A_f、すべての素点でgood reductionをもつ楕円曲線、およびそのisogeny class等の研究を行った。その結果、Q(√109)およびQ(√997)について、それらの体上全ての素点でgood reductionをもち、それらの体の上に3のみ分岐する3次巡回体を構成することに成功した。 また、2015年3月18日から20日で早稲田大学理工学術院で整数論研究集会を開催し、内外の研究者12名の講演をきくことができた。
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