非放物的ネットワークの倉持境界に関する研究である。まず、ネットワークのランダムウォークはほとんど確かに倉持境界に値を持つ確率変数に収束し、その像測度が調和測度を与える。これを通して調和関数のディリクレ問題およびノイマン問題の核関数表現が可能となる。また、双曲空間に埋め込まれた有限グラフを考察し、双曲空間の幾何学的コンパクト化をもとに、埋め込まれたグラフのチーガー定数、スペクトルギャップなどをグラフの大きさによる評価を与える。さらに、p-ネットワークを含むより一般的な抵抗関数を備えたネットワーク、モジュラー列空間を枠組みとするネットワークのポテンシャル論の体系的な基礎研究を行う。
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