微分幾何学において、曲面や部分多様体のガウス写像は、その幾何学的性質を調べるうえで基本的に重要である。球面内の向きつけられた超曲面については、1997年にB.Palmerが、ユークリッド空間の向きつけられた2次元部分空間のなす、実グラスマン多様体へのガウス写像を考察し、その像が実グラスマン多様体の自然なケーラー構造に関してラグランジュ部分多様体であることをしめした。本研究では、正則断面曲率が一定である、複素射影空間内の実超曲面に対して、複素ユークリッド空間の複素2次元部分空間のなす、複素グラスマン多様体へのガウス写像を構成し、ホップ超曲面の場合にはその像がケーラー部分多様体となることを示した。
|