研究課題/領域番号 |
24540081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
島川 和久 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (70109081)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 微分空間 / モデル圏 / Quillen同値 / de Rhamコホモロジー |
研究概要 |
本研究の目的は、位相空間の研究に用いられてきたホモトピー論の種々の概念および手法を微分空間の圏に拡張し、その応用を図ることであり。とくにホモトピーの概念に基づく一連の不変量(ホモトピー不変量)とド・ラムカルキュラスを用いて定義される不変量との関係を明かにし、さらに、それら二つの視点を融合した新たな手法を開発して、その有用性を明かにすることを目指している。平成24年度は,吉田耕平および原口忠之との共同研究により、以下の結果を得た。 1. 微分空間の圏Diffに自然なモデル圏構造を導入することができる。 2. 自然な関手 T: Diff → Top および D: Top → Diff からなる関手対 (T,D) は,上で与えたDiffのモデル構造と位相空間の圏Topの標準的なモデル構造との間のQuillen随伴対を定める。 3. 自然な射 TD(X) → X が同形であるような微分空間ならなるDiffの充満部分圏をNGで表すとき,随伴対 (T,D) によりNGはΔ生成位相空間全体からなるTopの充満部分圏に随伴同値である。さらに,この事実から,NGはTopとQuillen同値であることが従う。 4. 双変関手 NG × NG → NG が一般コホモロジー理論を定義するための条件をNGのモデル構造を用いて定式化することができる。 5. de Rhamコホモロジーおよびそのcompact support版に関するMayer-Vietoris完全系列が存在するための条件を1の分割の存在により定式化し,とくにsubcartesian空間に対して、Mayer-Vietoris系列の完全性が常に成り立つことを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記したとおり、平成24年度の研究実施計画の各項目に関し、ほぼ想定通りの進度で研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画を進める上で,微分空間における(同変)分類空間の存在とその関手的な構成法の重要性が明らかになってきたため、これを二年目以降の研究実施計画に組み込むこととする。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費は、基礎資料としての図書の購入および研究打合せおよび成果発表のための旅費に使用する予定である。
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