研究課題/領域番号 |
24540081
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
島川 和久 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (70109081)
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研究分担者 |
山口 耕平 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (00175655)
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キーワード | 微分空間 / ホモトピー / モデル圏 / ド・ラムの定理 |
研究概要 |
本年度は先ず,前年度に行った微分空間の圏のモデル構造に関する研究のさらなる展開を図るため,微分空間の圏と位相空間の圏の間の Quillen 随伴対 (T,D) : Diff → Top の性質を詳細に調べた。その結果として,左随伴関手 T : Diff → Top が(滑らかな)ホモトピーを必ずしも保存しないことを示す例を組織的に構成することに成功した。これは,随伴対 (T,D) が Quillen 同値ではない可能性を示すものである。また,如何なる位相空間とも(滑らかには)ホモトピー同値でない微分空間が多数存在することも,この事実を用いて示すことができる。 次いで,当初の研究実施計画に沿い,ド・ラムの定理の微分空間への拡張に取り組んだ。これに関しては決定的な結果を得るまでに至らなかったが,対象をサブカルテシアンな空間に限れば,ド・ラムコホモロジーにおけるマイヤー・ヴィートリス型の完全系列が成立することを,共同研究者の原口忠之が示しており,少なくとも,このようなタイプの微分空間に対しては,多様体の場合と同様のド・ラム定理が成立することの傍証が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度の成果の継続研究を実施した影響によって,本年度の研究実施計画の内,微分空間の圏における一般ホモロジー・コホモロジーの表現の研究は未実施となった。そのため,当初の計画より研究の進展は遅れたが,その一方で,種々の興味深い現象を観察することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究計画の未実施部分を26年度に繰り越すことになるが,当初想定していた研究計画項目との重要度を見極めながら,研究計画の再構築を図りたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
本務との兼ね合いにより出席日数を切り詰めた出張があったため,3万円余りの次年度使用額が生じる結果となった。 平成26年度研究計画内の旅費に組み入れて使用する。
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