本研究では,曲面上のグラフの多色彩色に関する研究テーマを扱った.この概念はいわゆる「美術館問題」を動機として定義されたものであり,私の研究の糸口は,3-正則平面2部グラフの多色4-彩色性をグラフの局所変形を用いて解くことであり,本研究は,そのアナロジーとして,その他の曲面の偶角形分割に同様の事実が成立するかを扱った.結果的には,当初想定していた問題はすべて,予想通りに解くことができた.一方,得られた結果がグラフの拡張問題に結びつき,曲面のZ2ホモロジーやグラフのサイクルスペースなどの代数的手法を用いる新たな研究の方向性を見つけた.本研究では当初の予想を大きく超える成果を得ることができた.
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