恒星質量ブラックホールと通常の恒星と近接連星系を形成したブラックホール連星 (BHB) は、質量降着が極端に少ない静穏状態から、中心部への降着による急激な増光により状態の遷移がはじまる。状態遷移を理解し、エネルギー放出効率の変化を引き起こすパラメータを導くには、遷移の過渡状態であるvery high状態(VHS)の理解が欠かせない。研究代表者らは、放射モデルを構築し、これを日本のX線天文衛星「すざく」で観測されたBHBのVHSデータに応用した。その結果、VHSにおいて、円盤が徐々に内側にむけて成長していくこと、また、非熱的電子が大きな役割を果たすことを示した。
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