原子に捕獲されたミュオンが基底状態に移る際に放出されるX線のエネルギーから、原子核の電荷分布情報が得られる。近年、我々は、安定原子核のミュオン原子を高効率で生成する方法(固体重水素薄膜法)を開発したが、電荷分布が殆ど未知の不安定核に適用するには、薄膜へ注入される放射性物質の挙動の理解や測定終了時の放射性物質の回収技術を要する。 本課題では、昇華するドライアイスを固体重水素薄膜の代用とし、その薄膜生成装置と回収装置を設計・製作し、不安定核ビームを用いて実験を行い、特に回収に関しては、薄膜に注入された放射性物質を液体窒素冷却トラップ型回収装置に移行させることに成功し、有望な回収技術を提案できた。
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