ペロブスカイト型水素化合物では,水素の価数がマイナス1価と小さいために金属イオンの価数が大きくならない.そのため,水素の1s軌道のエネルギーバンドとの重なりが小さく共有結合性が弱い.これが電子格子相互作用を弱めていると考え,高温超伝導の発現には,水素の一部をマイナス2価の酸素に換えたペロブスカイト型酸水素化合物が望ましいことがわかった.また,白金を添加すると触媒効果により室温でも水素導入が可能になるという画期的な成果を得ることができた.このように、水素を含む化合物において,高温超伝導をはじめとする新機能・新物性の創出に向けた戦略指針を得るための基礎的な情報を収集することができた.
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