本研究課題の目的は,次数相関を含む強相関複雑ネットワーク上のパーコレーション理論の一般的枠組みを構築することであった。得られた大きな成果は以下の三つである。 (1) ランダムなノード故障と次数の大きなノードからの選択的除去に対して,最も頑強なネットワーク構造は「たまねぎ構造」と呼ばれる次数相関1の正相関構造であることを解析的に導出した。(2) 負の次数相関を持つネットワーク構造は,情報拡散の効率が正相関の場合よりも大きくなることを数値実験によって明らかにした。(3) 次数相関を持つネットワーク複合系のパーコレーションを記述できる生成関数を導き一般論を構築した。
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