研究課題/領域番号 |
24540436
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
兼松 泰男 大阪大学, 産学連携本部, 教授 (00211855)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 蛋白質ダイナミクス |
研究概要 |
本研究は、光による蛋白質の機能を制御することを目指し、光反応制御のために、フェムト秒光パルス波形整形によるコヒーレント制御法を用いて、適応制御型に頼らず、すなわち、反応物収量をモニターし、パラメーターを最適化するアルゴリズムによって、パルス波形の最適化を図る方法ではなく、蛋白質ダイナミクスに関する物理的な考察の可能なアプローチを確立することである。現時点においては、研究対象の選定、装置開発に向けての予備的な調査、実験を行っている段階であり、成果として記載する結果は得られていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
対象となる試料として、比較対照のために、発色団改変モデル蛋白質を準備していたが、予想を覆す結果、すなわち、光異性化を生じないことがわかり、今後研究を進める上で、光反応自体に関する知見の精査を行う必要が生じた。 当初、既存システムでの実験着手を予定したため、光パルス制御系の構築のための、主要装置の納入時期が年度末にずれ込んだ。一方で、既存システムでは、実験遂行に支障があり、大幅に研究遂行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
フェムト秒光パルスをスペクトルおよび時間変調して、光受容蛋白に照射することで、光サイクルを誘起し、準安定状態の収量をコントロールする。このため、特徴的な少数の振動モードに関与するパラメーター群に限定して、光サイクルをモニターし、光パルス変調のパラメーター変化との相関を観測する。ターゲットは光受容蛋白PYPおよびそのアナログからはじめて、バクテリオロドプシン等へと拡張する。フィードバックアルゴリズムを用いて、パラメーター最適化を行う場合との比較実験を行う。また、スペクトログラム変調法を導入する。さらに、振動ダイナミクスに関する種々の測定および制御シミュレーションを併せて行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の遅れに伴い、研究費は備品購入にのみに使用することとなった。残額10万円に関しては、次年度において、光学部品等、システム組み立ての使用に充てるべく、持ち越した。
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