研究課題/領域番号 |
24540436
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
兼松 泰男 大阪大学, 産学連携本部, 教授 (00211855)
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キーワード | 蛋白質ダイナミクス / コヒーレント制御 |
研究概要 |
本研究は、光による蛋白質の機能制御を目指し、光反応制御のために、フェムト秒光パルス波形整形によるコヒーレント制御法を用いて、フィードバックアルゴリズムによる適応制御によらず、すなわち、反応物収量をモニターし、パラメータを最適化する従来方法ではなく、蛋白質ダイナミクスに関する物理的な考察の可能なアプローチを確立することである。今回、研究を進める上で重大な支障が生じた。すなわち、手法のコアとなる光スペクトログラムスコープ構成部品の調達が困難なことが判明し、システム設計変更を余儀なくされた。光スペクトログラムスコープの特徴は、光分散素子を通した光波面を二次元面に展開し、そこに対応する二次元パターン位相板を用いることで、周波数軸の位相変調と時間軸に対応する位相変調を独立に行うことができる。パターンの異なる位相板の組み合わせで、限られた位相変調パターンにおける比較という限定されたパラメータ空間での探査を行うとともに、二次元パターン位相板、分散素子にロスの少ないものを選ぶことで、実用的な出口を視野に入れた研究を進めることを企画していた。しかしながらこれら光学素子が容易に入手できない状況であるので、二次元位相変調素子を用いる従来法において、ソフトウェアによるパラメータ空間を限定する方法に変更し、観測を行うことにし、対象となる現象も、従来のターゲットから変更し、全体の計画を練り直して、システム部品の調達を行った。従って、研究成果を創出する状態にいたっていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初、予定の実験システムの構成部品の調達が、困難なことが判明し、大幅な戦略を変更そせざるを得なくなったため、システム再設計の目途を立てるのに時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
従来型コヒーレント制御法に、ソフトウェアによる様式変更を加え、新しい方式を、よりシンプルな現象を対象に試行し、その結果を待って、蛋白質系への適用を判断する。
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次年度の研究費の使用計画 |
システム構成を大幅に変更せざるを得なくなったため、当初、購入予定のシステムの構成部品を購入するのを見合わせ、別法によるシステムを翌年度に構築することとした。 新たなシステム構築に必要な光学部品、実験補助等に使用する。
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