一本鎖あたり1個の蛍光分子を導入した温度応答性高分子を合成した。希薄水溶液の吸収・蛍光スペクトルより、色素の多くが水溶液中で会合し、一部が単量体に近い状態で存在することが示唆された。試料は水中で約2000本の分子鎖からなる会合体を形成し、その粒径は温度上昇と共に減少した。また、昇温時の色素のスタッキングが、粒径・濁度・蛍光スペクトルのヒステリシスの原因と考えられた。 ガラス基板上にスピンコートした試料では単一鎖由来と思われる輝点が観測されたものの、温水の滴下によりそれが消失した。これは、分子鎖が基板から剥離してしまったためと考えられた。
|