液晶分子骨格基,末端基,極性基の種類とそれら組み合わせが異なるネマチック液晶を用い,側鎖型高分子ラビング膜上での配向特性を明らかにした。次に,ラビング方向に垂直に配向する液晶と平行に配向する液晶を混合し,その混合率と配向方位およびアンカリング力リング力の関係を調べた。配向方位と液晶の化学構造の関係には,液晶の極性の有無が大きく影響していること,混合液晶においては,高分子膜上での選択的吸収が生じていることを示唆する結果が得られた。これらの結果は,液晶ディスプレイにおける表示ムラ,焼き付きなどの欠陥に,ある特定の液晶材料が原因で生じていることを示唆するものである。
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