本研究の目的は、有機EL半導体に用いられる有機薄膜層の変形特性を測定し、屈曲性に悪影響を及ぼす脆弱な層を明らかにして、屈曲性を改善する手法を確立することである。 代表的な蛍光発光素子を構成する薄膜層の延性を測定し、低延性層を把握した。また、この低延性層に高延性材料を混合した混合層では、延性が改善されることを確認した。さらに、発光効率に優れるりん光発素子についても、低延性層を特定するとともに、その低延性層を高延性材料に置き換えた発光素子構造を提案し、発光効率は、低延性層を含む素子よりも優れることを確認した。また、製造装置設計に必要な薄膜層の変形特性をナノインデンテーション法を用いて測定・解析した。
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