受動的機械素子を用いた振動抑制に関して、特に近年提案されたイナータという素子の利用を念頭に置き、達成可能性能に関する研究を行った。イナータを用いた場合、H2ノルム、H∞ノルムで性能評価するとメリットは限定的であること、一方、振動吸収部の最大変位に関しては減少させられることが確認された。その他、H∞ノルムでの性能を最適化するための、代数的手法に基づくパラメータ最適化手法を確立した。また、「平均的減衰比」という概念を提案し、それが代数的に特徴づけられることを示し、さらに平均的減衰比に制約を課しながら達成可能性能を低減させる手法を提案した。
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