負の線膨張係数を有する繊維シート状にして補強したコンクリ-トブロックに北海道日高市の冬期平均外気温度に相当する温度履歴を(-10から+3℃)負荷し、繊維シートとコンクリ-トとの界面でのずれせん断によるはく離をひずみ履歴から調査した。炭素繊維とアラミドの各繊維シートを6000サイクルまで負荷した結果、炭素繊維はサイクル数に応じて塑性ひずみが増加し、温度-主ひずみ履歴曲線の勾配(線膨張係数に相当)が小さくなる傾向があり、アラミド繊維はほとんど塑性ひずみも曲線の勾配も変化がないことがわかった。また、炭素繊維の挙動は、接着剤のエポキシ樹脂間との抜け出しによる損傷が主要因でると推定することができた。
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