研究課題/領域番号 |
24560734
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
池尻 隆史 近畿大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10408718)
|
研究分担者 |
安藤 正雄 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80110287)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 住宅需給 / 住宅ストック / 人口減少 |
研究概要 |
本年度は研究計画に述べた課題1「人口動態に着目した地域の類型化とストックの分析単位の検討」ならびに課題2「人口動態別地域類型と住宅ストックの実態の関係分析」を主な研究対象とした。また課題3「地域別の住宅ストックに関わる問題の把握と将来的施策の検討」についても、計画に先だって着手している。 課題1については、「人口動態に関する統計資料の分析とこれに基づく地域類型の抽出」ならびに「各県における人口動態別地域類型の分布と構成比の把握」を具体的な課題としている。前者については、基本的な人口動態に関するデータ入力と整理を行い、主としてDID地区の発展・衰退傾向に基づく類型の設定を試みている。後者については、各県別レベルで人口動態に基づく地域類型を抽出し、隣接する件を地域としてまとめてその域内で人口動態別の地域類型がどのように分布するかを検討した。これは、住宅ストックの質について、従来の県別レベルでの分析が必ずしも実態に即した物とならないという研究の基本的な立脚点に基づく作業である。 課題2については、具体的な研究対象として近畿地方を取りあげて分析を行った。大阪府については府レベル以下の空き家率などの住宅ストック関連指標について、人口動態との相関関係の分析を行った。その過程で具体的な住宅ストックの質(建物の形態や密度、周辺環境)についても分析の必要性が認められたため、適宜現地視察・調査も実施した。 課題3については、地域別の住宅ストックに関わる問題把握について調査を開始し、主として空き家対策に関わる基礎自治体の取り組みについて情報収集を行った。特に空き家バンク事業については、山梨の事例を中心に事業の持続可能性などの検討を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究計画は研究計画書に示した課題1と課題2の一部についての調査・分析であり、その点についてはほぼ順調に研究が進展していると判断している。ただし、いずれについても本年度は作業補助を依頼する大学院生の確保が思わしくなく、いずれも資料整理やデータ入力・分析の範囲でいっそうの努力が必要であると認識している。この点については次年度に積極的な研究作業の実施をもって目標を満たすように努力したい。その一方で、本年度は当初予定していなかった課題3についても研究を進めることができており、全体としての進捗状況はほぼこれで相殺されるものと思われる。
|
今後の研究の推進方策 |
計画通り課題2の残り部分と課題3について研究を進めることとする。一方で、課題1の積み残し部分である、データ入力や分析については、年度の早い段階で消化するように計画している。 課題2については「地域類型と住宅ストック関連諸元の関係分析」が課題となる。これについては前年度に対象とした近畿地方の分析を継続し、新たに中国地方ならびに東北地方、また首都圏についても分析を開始する予定である。 課題3については、将来的な住宅ストックに関わる問題で特に深刻と思われる空き家問題を中心とし、全国の基礎自治体の認識や実施中の施策について情報を収集し、その適切性や持続可能性について検討を加えることとしたい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
前述の通り、本年度は研究補助作業を依頼する大学院生の確保が困難であったため、その人件費(アルバイト代)に関わる予算が余る結果となった。この余剰分については、次年度に確実に人材を確保した上で多くの研究補助作業を計画することで消化することを予定している。
|