本研究では、生体用金属材料が吸収した水素の量や存在状態によって、材料強度、形状記憶効果・超弾性特性などの機械的特性や生体模擬環境下における耐食性などの機能が劣化あるいは誘起することを明らかにした。さらに、水素の吸収量と存在状態を制御することで、生体内における金属材料の機能の劣化を抑えつつ機能が誘起されるバランスについて材料強度学、生体材料学及び電気化学からの観点を相互に関連させて複合的に調べ評価した。得られた知見は、生体用金属材料の安全性・信頼性のさらなる向上のための材料開発の新たな指針となることが期待される。
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