膜透過ペプチドとしてHIV-1由来のTAT,核移行シグナルとしてSV40由来のNLSを付加したEGFPを用い,EGFPのSf9昆虫細胞への輸送挙動を共焦点レーザー顕微鏡により調べた。その結果, TATと NLSをこの順にEGFPに結合させることにより,EGFPはSf9の細胞膜を透過して30分以内に核内まで輸送されることが分かった。次に,TAT-NLSを付加した活性型および不活性型ストレプトアビジンの1:3四量体を作成し,さらにこれにビオチン化遺伝子と結合させ,TATとNLSを有する新規な遺伝子ベクターを構築した。現在,Sf9細胞を用いてこの遺伝子ベクターの輸送能および輸送条件を検討している。
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