本研究では、広大な海に囲まれたわが国の特徴を生かした自然エネルギーの積極的活用を目指して、新形式の浮体式洋上風力発電システムを提案し、その実現可能性を検証した。本システムは600kW 級風車を搭載した双胴船型浮体の下部に水中翼を設置することで、波エネルギーを利用して浮体の動揺や係留系に働く力を大幅に軽減することを期待するものである。模型実験の結果、水中翼が波浪中動揺を低減する効果は主に粘性減衰力に基づくこと、条件によっては翼形状でなく平板でも高い減揺効果や波漂流力低減効果が得られること等が明らかになった。
|