本研究は、伊豆諸島、伊豆半島のシマヘビとオカダトカゲの系をモデルとして、捕食者―被食者関係の成立機序を分子系統地理学的手法を用いて推定し、捕食者と被食者の適応進化に関して、以下の研究成果を得た。 オカダトカゲは、日本本土の集団から約500万年前に分岐したが、現在の島々に拡散し、各島嶼集団が分化したのは新しく、約30万年前意向であると推定された。一方、シマヘビは、東日本の系統と西日本の系統からそれぞれ独立に、約30万年前に伊豆諸島に分布するようになったと推定された。シマヘビが捕食者として定着した島では、オカダトカゲの生活史、色彩に捕食回避に資する適応的な形質が発達したことが明らかになった。
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