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2014 年度 実績報告書

1分子蛍光観察手法を用いた分化初期化の単一細胞エピジェネティクス

研究課題

研究課題/領域番号 24570191
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

藤田 英明  独立行政法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 客員研究員 (50318804)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードHistac / ヒストン / アセチル化 / 蛍光観察
研究実績の概要

エピジェネティカルな変化を一分子蛍光観察で捉えるため、理研で開発されたヒストンのアセチル化を観測可能なプローブHistac(BRDTのブロモドメイン両端にそれぞれCFPとVenusを融合したFRETプローブ)のVenusを光活性化が可能なPAGFPに、CFPをSNAP-tagに置き換えたプローブを作成した。このプローブを恒常的に発現するHEK293T細胞を作成し、TMRSTAR(SNAP-tagに結合する赤色色素)によって染色した。PAGFP-TMRSTAR間でFRETが起きていることを確認するため、PAGFPを活性化させたのち、TMRを褪色させたところGFPの蛍光が増大することが確認され、作成したプローブ内でFRETが起きていることが確かめられた。この改変したHistacがヒストンアセチル化のプローブとして働いているかどうかを確認するため、細胞を1μMのトリコスタチンA(TSA)にて3時間処理したところ、FRET効率の上昇が確認されたことから改変Histacがヒストンアセチル化のレポーターとして使えることが確かめられた。次に、このプローブが1分子観察可能であるかを調べるため、染色した改変Histac発現HEK293T細胞をPALM顕微鏡により観察したところ、4000以上の輝点が単一核中に観察された。GFPの蛍光はTMRによる染色によって有意に落ちることから、FRETが起きているここがわかる。
次に、ES細胞分化によるエピジェネティカルな変化を捉えるため、改変HistacをマウスES細胞に導入した。TSA処理によってFRET効率の上昇が見られたことから、開発したプローブはES細胞内においてもヒストンアセチル化状態を観察可能であることが確認された。一方、観察される輝点の数はHEK293T細胞よりも少なく、核あたり~1000個程度であった。ES細胞の培養はLIFを加えた状態と、分化後の状態としてLIFを除いた環境下で1週間培養したものを用意し、FRET効率の違いを調べたが有意な差は見られなかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Gene dynamics of core transcription factors for pluripotency in embryonic stem cells.2015

    • 著者名/発表者名
      David B.G., Okamoto K., Kakizuka T., Ichimura T., Watanabe T.M., Fujita H.
    • 雑誌名

      J. Biosci. Bioeng.

      巻: 119 ページ: 406-409

    • DOI

      10.1016/j.jbiosc.2014.09.011

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Comprehensive chemical secretory measurement of single cells trapped in a micro-droplet array with mass spectrometry.2015

    • 著者名/発表者名
      Fujita H., Esaki T., Masujima T., Hotta A., Kim S.H., Noji H., Watanabe T.M.
    • 雑誌名

      RSC Adv.

      巻: 5 ページ: 16968-16971

    • DOI

      10.1039/c4ra12021c

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Fluid driving system for a micropump by differentiating iPS cells into cardiomyocytes on a tent-like structure.2015

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Y., Fujita H.
    • 雑誌名

      Sens. Actuators B Chem.

      巻: 210 ページ: 267-272

    • DOI

      10.1016/j.snb.2014.12.069

    • 査読あり
  • [学会発表] SH3 domain of C-Src regulates its dynamic behaviour in the cell membrane2015

    • 著者名/発表者名
      Machiyama H., Yamaguchi T., Watanabe TM., Fujita H.
    • 学会等名
      59th Biophysical Society Annual Meeting
    • 発表場所
      Baltimore, USA
    • 年月日
      2015-02-07 – 2015-02-11

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公開日: 2016-06-01  

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