イネ葉鞘における出穂後のデンプン分解制御機構の解明のため,α-およびβ-アミラーゼ遺伝子ファミリーを構成する各遺伝子の機能解析を進めた.多収品種タカナリでは,α-アミラーゼ遺伝子のRAmy2Aの発現が出穂後の葉鞘において急激に上昇し,それが急激なデンプン分解をもたらす要因のひとつと示唆された.β-アミラーゼ遺伝子のOsBAM2もしくはOsBAM3の過剰発現は葉鞘のデンプン含量を著しく低下させるが,それらの発現抑制は葉鞘におけるデンプン含量を有意に増加させることはなかった.また,OsBAM5の発現は夜間の葉身において著しく高く,その発現抑制は葉身にデンプンを過剰に蓄積させることがわかった.
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