ゴミコナダニの一種Sancassania sp.から2種の脂肪族ギ酸エステルを同定し、それらの生合成機構を解明する足掛かりとして同位体標識した酢酸ナトリウムの取り込み実験を行った。NMR解析の結果、2種のギ酸エステルはリノール酸とオレイン酸がそれぞれ前駆体であることが判明した。カルボニル炭素の標識パターンから、脂肪酸が脱カルボニル化されることなく1段階で酸化的にギ酸エステルに変換されると推測した。この変換には、アルデヒドを基質としたBaeyer-Villiger酸化反応を触媒する新奇な酵素が関与していることが示唆された。
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