本研究では、「ケヤキの天然更新では、全刈りよりも、坪刈りの方がケヤキ稚樹の生残や樹高成長に効果的である」という仮説を検証した。林内光量30%の林地に生立するケヤキ稚樹の4年間の生存率には、全刈り域、坪刈り域、放置域間で有意差は認められなかった。ケヤキ稚樹の樹高成長量を比較した結果、放置域と坪刈り域との間に有意差は認められなかった。ケヤキ稚樹における期首樹高と樹高成長量との間に有意な正の相関が認められ、刈り払いの違いによるデータの分布範囲に差はなかった。これらの結果から、全刈りと坪刈りによってケヤキ稚樹の生残や樹高成長に差はないと考えられた。
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