カンピロバクター菌は食中毒の起因菌である。カンピロバクター食中毒の感染源は、汚染された生肉および内臓である。我が国には牛や鶏の肝臓を生で食する習慣があり、本菌が宿主体内で肝臓などの臓器へ移行し生存することは、本菌による食中毒のリスクを高めるものと考えられる。しかし、カンピロバクター菌の臓器への移行経路や臓器内での生存様式はまだ十分に解明されていない。そこで本研究では、カンピロバクター菌の臓器への移行や生存に必要な遺伝子を同定した。その結果、鞭毛、N-結合型糖鎖修飾システム、走化性、莢膜に関連する遺伝子がマウスにおけるカンピロバクター菌の感染能に関与することが明らかとなった。
|