脊髄の再生医療として、幹細胞を含む様々な細胞を用いた移植治療法が考案されているが、自己骨髄由来単核細胞は細胞培養を必要としないため、受傷後早期に移植することが可能である。我々は、動物の脊髄損傷症例に対して自己骨髄由来単核細胞を用いた臨床試験を実施したところ、治療効果が認められた。骨髄単核細胞がどのようなメカニズムで脊髄を再生するのかはほとんど解明されていないので、ラットを用いた動物実験を行った。その結果、移植した骨髄単核細胞は約一週間局所に存在し、HGF、MPC-1、VEGFなどのサイトカインを放出することにより、細胞のアポトーシス発現を抑制し、神経を保護していることが認められた。
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