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2012 年度 実施状況報告書

グリコサミノグリカン由来免疫賦活活性糖鎖配列の徹底解明

研究課題

研究課題/領域番号 24590046
研究種目

基盤研究(C)

研究機関千葉大学

研究代表者

戸井田 敏彦  千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (60163945)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードコンドロイチン硫酸 / 二酸化チタン / 光分解 / 低分子化 / 経口吸収
研究概要

1.コンドロイチン4硫酸を二酸化チタン存在下370 nm~430 nmの高圧水銀ランプにより光分解し、2糖~30糖(分子量360~8000)のオリゴ糖を含む画分の調製に成功した。オリゴ
糖は、これまで報告されている分解酵素を用いた方法と異なり、非還元末端に不飽和二糖などを含まない、偶数のオリゴ糖糖、すなわち2、4、6、8、10・・・糖ではなく、多糖を構成する単糖のグリコシド結合を区別することなく切断するため、偶数のみならず奇数の構成糖からなる、これまで前例のない新規のコンドロイチン硫酸由来オリゴ糖である。これらの画分を分取用および分析用HPLCおよび核磁気共鳴装置・質量分析装置、質量分析測定装置によりその構造解析を行った結果、硫酸化度およびコア構造にダメージを受けていないことが明らかになった。
2.単離・精製したコンドロイチン硫酸オリゴ糖を、三酸化イオウ・ピリジン錯体により反応温度40℃で完全硫酸化体とすることに成功した。さらにシリル化試薬N,Oビストリメチルシリルフルオロ酢酸により、中性糖、アミノ糖6位の硫酸基を特異的に脱離、あるいは10%メタノールを含むジメチルスルホキシド中80℃24時間反応し、完全に硫酸基を脱離したコンドロイチンオリゴ糖の調製に成功するなど、硫酸化度の異なるオリゴ糖ライブラリーを構築することに成功した。
3.未分画のサメ軟骨由来コンドロイチン硫酸をマウスに400 mg/kg体重経口投与すると、血液中に投与量の1%程度のコンドロイチン硫酸が検出されることを突き止めた。また低分子化コンドロイチン硫酸(分子量5000)を400 mg/kg体重の割合でマウスに経口投与すると、投与量の5%が吸収されることを確認した。これらの知見を踏まえ、吸収されたコンドロイチン硫酸の分子量および硫酸化度などの酸性度の関係を調査している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画したコンドロイチン硫酸の光分解による低分子化条件を精査し、思い通りの分子量を有するコンドロイチン硫酸の調製に成功した。また調製したコンドロイチン硫酸は光分解により低分子化以外、ほどんどダメージを受けていたいことが明らかになった。また経口投与したコンドロイチン硫酸がこれまでの予想に反し、1%程度も吸収されることが明らかとなり、大変驚いている。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、経口吸収されたコンドロイチン硫酸の生体内分布を徹底的に調査し、分子量分布、硫酸化度など構造変化についても調査していく。また経口吸収されたコンドロイチン硫酸の免疫系賦活活性についても調査を進めていきたい。

次年度の研究費の使用計画

動物実験およびコンドロイチン硫酸お分析に使用する有機溶媒、有機試薬、HPLCカラムの購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Sequence analysis and domain motifs in the porcine skin decorin glycosaminoglycan chain.2013

    • 著者名/発表者名
      Zhao X, Yang B, Solakyildirim K, Joo EJ, Toida T, Higashi K, Linhardt RJ, Li L.
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 288 ページ: 9226-9237

    • DOI

      10.1074/jbc.M112.437236. Epub 2013 Feb 19

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Simultaneous determination of uronates found in polysaccharides from natural products by HPLC with fluorometric detection.2012

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto A, Hosoyama S, Higashi K, Toida T.
    • 雑誌名

      Carbohydrate Reserch

      巻: 358 ページ: 82-88

    • DOI

      10.1016/j.carres.2012.06.018

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Structural changes of regulatory domain heterodimer of N-methyl-D-aspartate receptor subunits GluN1 and GluN2B through the binding of spermine and ifenprodil.2012

    • 著者名/発表者名
      Tomitori H, Suganami A, Saiki R, Mizuno S, Yoshizawa Y, Masuko T, Tamura Y, Nishimura K, Toida T, Williams K, Kashiwagi K, Igarashi K.
    • 雑誌名

      Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics

      巻: 343 ページ: 82-90

    • DOI

      10.1124/jpet.112.192286

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Inverse correlation between stroke and urinary 3-hydroxypropyl mercapturic acid, an acrolein-glutathione metabolite.2012

    • 著者名/発表者名
      Yoshida M, Mikami T, Higashi K, Saiki R, Mizoi M, Fukuda K, Nakamura T, Ishii I, Nishimura K, Toida T, Tomitori H, Kashiwagi K, Igarashi K.
    • 雑誌名

      Clinical Chimica Acta

      巻: 413 ページ: 753-759

    • DOI

      10.1016/j.cca.2012.01.020

    • 査読あり
  • [学会発表] Regulation of heparin injections2013

    • 著者名/発表者名
      Toshihiko Toida
    • 学会等名
      American Chemical Society
    • 発表場所
      New Orleans, LA, USA
    • 年月日
      20130407-20130412
    • 招待講演
  • [学会発表] マフノリ由来硫酸化多糖の構造と免疫賦活活性2013

    • 著者名/発表者名
      東恭平、戸井田敏彦
    • 学会等名
      第132回日本薬学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20130327-20130330
  • [学会発表] 深海鮫由来コンドロイチン硫酸の構造2012

    • 著者名/発表者名
      東恭平、戸井田敏彦
    • 学会等名
      日本糖質学会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      20120729-20120731
  • [学会発表] New over sulfonated chondroitin sulfate2012

    • 著者名/発表者名
      Toshihiko Toida, Kyouhei Higashi
    • 学会等名
      Gordon Research Conference "Proteoglycans"
    • 発表場所
      Andover, NH, USA
    • 年月日
      20120715-20120721
  • [備考] 千葉大学大学院薬学研究院病態分析化学研究室ホームページ

    • URL

      http://www.p.chiba-u.ac.jp/lab/bunseki/index.html

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公開日: 2014-07-24  

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