脳脊髄液中のalpha-synuclein(ASN)が難治性てんかんのバイオマーカーであるとの報告に基づき、神経細胞のS1P受容体に対するASNの影響について検討したところ、細胞外に添加したASNがS1P1受容体とGiタンパク質の共役を阻害するという、きわめて興味深い現象が見いだされた。さらに、このASNによるS1P受容体-Gタンパク質共役の阻害について、そのサブタイプ特異性を検討したところ、ASNはS1P1受容体およびS1P3受容体とGタンパク質の共役のみを特異的に阻害することが明らかとなった。この知見は、未だ不明な点の多いてんかんの病理メカニズムを考える上できわめて重要である。
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