血管形成に関与する多くの遺伝子の一つであるFOXO1を血管内皮特異的に欠損させたマウスモデルを用いて、生後に血管形成過程が進行する網膜血管に異常が生じるかを検討した。その結果、血管の伸長抑制、分岐点の増加、tip細胞数の増加などの異常がおこることが分かった。FOXO1蛋白はすべての血管内皮細胞に発現しているが、その細胞内局在を見るとstalk細胞や多くのtip細胞では細胞質に、また一部のtip細胞や毛細血管部分では主に核に局在しており、部位により大きく異なることからFOXO1は血管形成過程にある血管内皮細胞において部位ごとに異なる機能を持つ可能性が示唆された。
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