研究課題
平成26年度に実施した研究の成果は、以下のとおりである。1.CHF5074短期投与実験:CHF5047投与によりヒト化マウス(Rbp4hRBP4/RBP4;TtrhVal30/hVal30とRbp4hRBP4/RBP4;TtrhMet30/hMet30)の血中ヒトTTR量が上昇することがわかった。その上昇したものは、ヒトTTR 4量体であることを明らかにした。さらに、pH4.0の酸性環境或は6Mウレアの存在下では、CHF5047投与群は、投与しないコントロール群より、血中ヒトTTR 4量体の解離速度が遅いこと、つまりCHF5074が安定性を増加させ、血中量が増加することを明らかにした。この結果をFEBS Letters.に発表した。2.長期投与実験:0ppm、125ppmおよび375ppmの3種類濃度の餌を、4つの遺伝子型を持つマウス系統(Rbp4hRBP4/RBP4;TtrhVal30/hVal30マウス、Rbp4hRBP4/RBP4;TtrhVal30/hMet30マウス、Tg(6.0-hTTR Met30)マウス、Ttr-/-:Tg(6.0-hTTR Met30マウス)への投与実験を行い、投与後1年、1年半、2年のマウスを解剖し、脳、心臓、肝臓、胃、小腸、大腸、腎臓、脾臓、骨格筋、坐骨神経の組織切片を作製し、コンゴレッド染色をおこなった。現在、アミロイド沈着を病理学的に解析しているところであるが、ダブルヒト化モデルでは、坐骨神経でのアミロイド沈着を世界で初めて観察した。また、それぞれの個体から血清を採取し、血液生化学的な検査を行ったが、CHF投与による異常は認められなかった。
すべて 2015
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FEBS Letters
巻: 589 ページ: 849-856
10.1016/j.febslet.2015.02.020