本研究は、膵臓がんを発生する遺伝子改変マウスから樹立したがん細胞株と、温度感受性T抗原を発現させた膵組織より樹立した不死化CK19+細胞について、三次元培養中に形成されるsphere structure (SS)と管状腺管構造(tubular Structure:TS)の違いに着目して実施した。 分化の異なる幹細胞が、SSとTSの違いを決定しており、TGFβとそのシグナル伝達系がSSからTSを誘導していることを明らかにした。一方、がん幹細胞をカバーするワクチン療法は有効であるものの、その成否は、免疫寛容の抑制と初期化に依存すると結論する。
|