研究課題
基盤研究(C)
大阪大学大学院医学系研究科附属ツインリサーチセンターのサンプリングプロジェクトとの共同で、平成24年度末現在、120組240名の双生児のゲノムおよび血清等サンプリングが完了している。また、これらのサンプルについて、代表的な臨床検査項目の測定が完了しており、基本的な解析対象データは蓄積されている。また、生体検査として身長や体重などの基本的なデータと、検尿や骨密度、頸動脈エコー等を行った。あわせて、被験者の病歴や治療歴、あるいは食事栄養調査や生活習慣調査などの疫学的データも蓄積されている。さらに、気分調査や性格調査などのメンタルな部分の調査データの蓄積も試みている。現在、これらのデータを体系的に整理し、臨床検査項目に及ぼす遺伝因子寄与率と環境因子寄与率を解析するためのプレリミナリーな検討を行っており、ACEモデリングによる解析が可能なデータ体系であることを確認しているが、ACE解析に必要な二卵性双生児の比率が必ずしも多くないために、信頼性のおけるACEモデリング解析を行うにはさらにサンプル数の蓄積が必要と判断された。あわせて、ゲノムサンプルよりCpGのメチル化状態を解析したデータの提供をうけ、双生児ペア間でのメチル化率の相違を解析できるよう準備をしている。具体的には、約46万か所のCpG部位のメチル化率について、CpGアイランド領域、プロモータ領域などのアノテーションごとのグループにわけ、グループ内でのメチル化率を解析できるように再構成を行っている。
2: おおむね順調に進展している
サンプルは120組240名であり、順調に収集できている。しかしながら、ACEモデリング解析を行うためには一卵性双生児と二卵性双生児がどちらもある程度のサンプル数必要であるのに対し、二卵性双生児のサンプル数が低く、信頼性のおけるACE解析を行うためにはさらに二卵性双生児サンプルの割合を増やす必要がある。
二卵性双生児サンプルをさらに積極的に収集する。また収集したサンプルについて得られた臨床検査値、あるいは疫学データを体系的に整理したうえで、Discordantなペアについてペアのふたりの間にどのような疫学的な差異が存在するかを解明し、ゲノムのエピジェネティックな変化についても同様にペアのふたりの間で差がないかを解析する。最終的には。生活習慣や環境がゲノムのエピジェネティックな変化にどのように影響しているかを解明し、環境因子が身体に与える影響を定量的に計測できるようにする。
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (2件)
Europian Journal of Endocrinology
巻: 168(2) ページ: 137-144
doi: 10.1530/EJE-12-0507
Tissue Antigen
巻: in press ページ: in press
Autoimmunity
巻: 45(2) ページ: 129-136
doi: 10.3109/08916934.2011.622013
Journal of Clinical Immunology
巻: 32(6) ページ: 1243-1252
doi: 10.1007/s10875-012-9721-0
Clinical and Experimental Immunology
巻: 70(2) ページ: 194-201
doi: 10.1111/j.1365-2249.2012.04646.x