近年のわが国の自殺の若年化傾向に関して、都道府県別の損失寿命を測定して、社会要因との関連において地域特性を明らかにすることを目的とした。全国の自殺による損失寿命は、自殺率の高止まりにもかかわらず増大し、自殺の若年化の進行が示された。都道府県別の損失寿命の年次推移は、大都市圏を含む都道府県と地方で異なる特徴を有し、性差も認めた。地域相関研究による社会要因の検討からは、とくに男性での経済・雇用との関連が示唆され、自殺による損失寿命の地域差の背景要因であることが示唆された。傍証として、自殺率と雇用・経済要因との分析から、完全失業率や非正規雇用割合が時代、世代、年齢の影響を受けていることが示された。
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