アルコール等の濫用薬物による臓器障害メカニズムを明らかにするため、特に小胞体ストレスとの関連のある脂質代謝に関係の深いクレアチンに着目して、アルコールによる合成障害について検討を行った。エタノールで培地中のクレアチニン濃度が減少したが、クレアチン自体の濃度変化は確認できなかった。エタノールを負荷すると、脂質のβ酸化で発生するケトン体の一つであるアセトン濃度が培地内で減少しており、エタノール負荷が脂質代謝を抑制している可能性が示された。クレアチン産生を制御するタンパク群の一つでありNAD依存性脱アセチル化を行う長寿遺伝子の一つのSIRT1はエタノール濃度やアセトン濃度に変化は認めなかった。
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