癌化学療法の問題点の一つは、治療経過中に薬剤耐性細胞が出現するために腫瘍が再増殖をきたすことである。そのため抗癌剤耐性に関する研究は重要な課題である。 RNA結合タンパクの1つであるRBM5をノックダウンさせた胃癌細胞に各種抗癌剤を投与すると、オートファジー調節因子の1つであるp62のmRNAおよびタンパク発現量が増加することが判明した。また、5-FU耐性胃癌細胞においてはp62の発現亢進を認め、5-FUにオートファジー阻害剤を併用すると感受性は部分的に回復した。これらのことは、オートファジーの経路が抗癌剤耐性獲得の経路に関与しており、RBM5がその調節経路に関与していることを示唆された。
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