本研究では、メタロエンドペプチダーゼ・ナルディライジンが胃・大腸癌に及ぼす影響の解明と新規治療法の開発を目指し、以下の結果を得た。1)ナルディライジンのノックダウンにより、胃・大腸癌細胞株からの炎症性ケモカイン分泌低下、インターフェロン応答シグナルの亢進、細胞周期調節因子の変動をともなって、癌細胞増殖が抑制された。2)ナルディライジンをノックダウンした大腸癌細胞株は抗癌剤によりアポトーシスが誘導され、癌細胞増殖が抑制された。さらに、抗ナルディライジン抗体による癌細胞の増殖抑制も確認した。 以上より、ナルディライジンの胃・大腸癌進展における役割を明らかにし、臨床展開へ向けた基礎的知見を得た。
|