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2012 年度 実施状況報告書

膵癌早期診断に有用なMRI造影剤内包ナノ粒子の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24591015
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

坂井 寛  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80611665)

研究分担者 白羽根 健吾  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10529803)
冨永 洋平  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (90304823)
森山 大樹  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (70586859)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード膵癌 / ナノカプセル / MRI / 早期診断
研究概要

膵癌において手術による切除が唯一の根治治療であるものの、その進行がきわめて速いため診断時にはすでに手術による根治的切除が困難である症例が少なくない。また、化学療法や放射線治療といった集学的治療が試みられているが、いまだ十分な成績をあげられていないのが現状である。そのため、膵癌の生存率改善においては早期診断の開発が急務である。膵癌の診断においては腫瘍マーカーやCT検査などが用いられているが、それらの検査で見つかった時点では既に先の根治的切除困難な状態であることがほとんどである。今回我々は早期診断への新たな切り口として、新規MRI造影剤内包多機能ナノカプセルを作成し、イメージングによる膵癌の早期診断を可能にする新たな診断法に取り組んだ。膵癌は早期より転移および播種を生じる癌である。転移や播種を生じる前の段階での診断を可能にするため、原発巣と転移巣・播種層の比較によって転移・播種についての評価を行うこととした。まず当研究室で樹立した高転移株の膵癌細胞を利用して、転移巣についての評価を行った。高転移膵癌細胞株に対しマイクロアレイを行ったところ、親株と比較してDCLK-1とFSTL-1について優位に高発現を認めた。また、膵癌細胞の周囲の間質増生を担う膵星細胞について評価をおこない、膵癌細胞の播種巣は原発巣と比較しCOMPが有意に発現が高かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

正常膵管上皮、膵癌前癌病変、膵癌細胞について細胞表面抗原をマイクロアレイで検索しているが、十分な症例数に達しておらずいまだ有意な差が得られていない。また、標的となりうる表面抗原の同定にも難渋している。

今後の研究の推進方策

今後、症例の蓄積を行い正常組織、前癌病変、癌について十分に検討を行っていく。癌特異的表面抗原の同定を行いえた場合には、セルソーターを用いて細胞分離を行いそれぞれの表面抗原発現による機能的相違の検討を早急に行う。
また、ナノカプセルの使用が困難な場合、新たにウイルスベクターによる導入法についても十分に検討する。

次年度の研究費の使用計画

本研究の遂行に必要な主要装置(フローサイトメーター、in vivo蛍光イメージャー、リアルタイムPCR, 蛍光顕微鏡、遺伝子導入装置、バイオアナライザー、ナノドロップなど)は既に研究室内に設置されている。この他の機器(共焦点レーザー顕微鏡、透過型電子顕微鏡、DNAシークエンサーなど)については学内の研究支援センターにおいて利用可能であり、現在の研究遂行に支障はない。また固形癌に適した高額なセルソーターが必要となる場合もあるがすでに学内の研究支援センターにおいて2台使用できる環境にあり特に新規に購入する必要はない。このため研究経費において新たな設備備品の購入は不要である。消耗品においては qRT-PCRを行うための試薬やプライマーの購入、ソート用モノクローナル抗体, ソート時の使用試薬、Nucleofector用導入試薬、shRNA/レトロウイルス作成キット、マウス等 を実験遂行において購入を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Role of Peritoneal Fibroblasts at Disseminated Sites of Pancreatic Cancer

    • 著者名/発表者名
      Shin Akagawa et al
    • 学会等名
      2012 Joint Meeting of APA and IAP
    • 発表場所
      Miami, USA
  • [学会発表] 腹膜線維芽細胞が膵癌の腹膜播種を促進する

    • 著者名/発表者名
      赤川 進 他
    • 学会等名
      第43回日本膵臓学会
    • 発表場所
      山形

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公開日: 2014-07-24  

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