本研究課題ではオートファジーの腎臓の老化および(慢性腎臓病の合併症の一つである)代謝性アシドーシスにおける役割に焦点を絞り、腎尿細管オートファジーが加齢や代謝性アシドーシスによりどう変化するか、それらに如何に対抗するかを検証した。その結果、①オートファジーは加齢ストレスに抗すべく活性化され、経年的にその依存性が増すが、オートファジーが亢進されるべき新たなストレスに対し適切な応答ができず、相対的オートファジー低下状態となり老化につながること、②近位尿細管細胞においてオートファジーは、酸負荷により障害されたミトコンドリアの分解を介してミトコンドリア機能の恒常性維持に貢献すること、が明らかになった。
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