慢性腎臓病(CKD)患者は高率に心血管病を合併する。本研究課題課題では腎不全環境において血管病変の発症・進展過程における細胞接着斑蛋白質hydrogen peroxide-inducible clone-5(Hic-5)の役割について検討した。 CKD患者剖検標本の動脈壁の検討では、腎機能正常患者に比べHIC-5の発現が血管平滑筋細胞および血管内膜病変内で亢進していた。培養実験では血管平滑筋細胞の石灰化、細胞変性過程でHIC-5の発現が亢進し、また、血管内皮細胞への単球の接着に関与した。マウス動脈硬化モデルでの検討では、HIC-5が動脈硬化病変形成に関与することが確認された。
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