白血病細胞でLR11が高発現し、この分子が白血病細胞の運動能亢進に関わるとともに、G-CSFにより可溶型LR11が上昇することを報告してきた。このような背景下に白血病細胞の分化制御を規定する転写因子とLR11の関わりについて検討を行ったが、核内転写因子との明らかな関連性は認められなかった。しかし、分化過程において重要なサイトカインであるG-CSFは白血病細胞株において可溶型LR11とほぼ同じ挙動でTNF-αを上昇させ、プロテアーゼ活性化を惹起していることが明らかとなった。プロテアーゼにより膜に局在する転写因子が活性化する機序の重要性が示唆された。
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