免疫応答の最前線に位置する樹状細胞は感染や炎症の特性に応じて異なる免疫応答を誘導する。この性質を樹状細胞の機能的可塑性と呼び,樹状細胞を活性化させる因子の質的・量的差異およびそれらの組み合わせによって生み出されると考えられている。樹状細胞のToll様受容体を介した活性化刺激はI型インターフェロン(IFN)産生を介して転写因子IRF8やSTAT4の発現を誘導するが,これらはTh1分化に重要なIL-12産生に関わる分子群である。一旦これらの分子の発現が増強されると樹状細胞のTh2分化誘導能は不可逆的に抑制される。すなわちI型IFN活性こそが樹状細胞の機能的可塑性を制御している主要な因子であった。
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