すべての血液細胞を生み出すことが出来るヒト造血幹細胞の性質については未だ不明な点が多く、その生物学的特徴を明らかにすることで、骨髄移植など造血幹細胞治療をより効率的に行うことが出来るようになると考えられる。造血幹細胞表面には特徴的なマーカーが発現しているが、我々は近年、造血幹細胞において重要な働きを担っているマイクロRNA-126という遺伝子を可視化できるシステムを開発し、従来、造血幹細胞が存在しないと考えられている細胞分画にマイクロRNA-126が強く発現している細胞群を見いだした。この細胞群は新たなヒト造血幹細胞ソースになる可能性を秘めており、生物学的特徴につきさらに研究を進めている。
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